お米にこだわる「蓬莱泉」(ほうらいせん)!!! この日のお米の搬入は 「阿波山田錦」見ての通り 特等米です。 山田錦には3大生産地があり ①兵庫県 特A地区 ②徳島県 阿波山田錦 ③福岡県 糸島山田錦があり「蓬莱泉」(ほうらいせん)さんはすべて使用しています。 〇に特で特等米の印です。 この「阿波山田錦」は埼玉の「神亀酒造」さんが使用する生産者さんと同じグループの山田錦になります。 |
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お米にこだわる「蓬莱泉」(ほうらいせん)!!! 「蓬莱泉」(ほうらいせん)さんは紙製の俵単位で搬入はしません。 なぜでしょうか? 紙製の俵でパレットに積まれていると昔の米の商慣行上検査員と米農家さんが示し合わせられていると、決まった俵袋で検査をされてその俵袋以外はすべて食米なんてこともあったそうです。 精米をしてしまうと、目利きができる関谷先輩でも見分けがつかないそうです。 この600Kgのフレコンでしたらどこを突いて検査しても「山田錦」になっているのがわるからです。 ここから精米機にお米が送られます。 |
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じゃじゃーんこの精米機の素晴しい並びをご覧ください!!!! 「新中野工業28インチ ダイヤモンドロール機」 4機です。 何がすごいか説明しましょう!! 「新中野工業」とは、酒米専用の精米機を製造しているニッチなメーカーになります。 本社では委託精米も受けていて岡山県の会社なので「雄町」の栽培にも深くかかわっています。茨〇のあるお蔵さんは、こちらから「赤磐雄町」の生産者さんを紹介してもらったらしいです。 この写真の精米機は「新中野工業」の最新式の精米機になります。 そして設置第一号になります。 特徴は「ロール」(酒米を削る研磨部分)が人工ダイヤモンドになっています。 なぜダイヤモンドがいいか? 砥石上に比べて小型になり省電力化と劣化が格段になくなりランニングコストと精米の「蓬莱泉」(ほうらいせん)の品質が上がります。 この精米機を4機設備しているお蔵さんはそうそうありません!!!と言うことなんです!!! |
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この投入筒も「蓬莱泉」(ほうらいせん)関谷先輩のこだわり!!! 通常であればこの筒はクロームメッキ性がほとんどですが、 投入筒とナットがすべてステンレス製です!!! さあ何ででしょう!? クロームメッキは経年劣化をすると酸化をしてサビてしまいます。 関谷先輩は、お酒つくりの中でさび付いてしまうものは最初から使用をせず、特注のステンレス製になったということです。 |
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振ったらぶれますよー!!! 「蓬莱泉」(ほうらいせん)関谷先輩のこだわり「原型精米」(扁平精米)同じ意味です。(と私はとらえています) (原型精米とは丸く精米するのではなくお米の形のままスケールダウンをしていく精米方法です。) 基本的に精米機のところで説明をしたお米を削るロールを早く回すとお米がくるくる回るイメージです。ある程度ロールの回転をゆっくりにするとお米の形が残り原型精米になります。 ということで、ゆっくりするということは「原型精米」という素晴らしい精米はできますが、量をこなすことができません。 そこで「蓬莱泉(ほうらいせん)」さんでは精米機が4機必要になるわけです。 ある酒蔵さんは、委託精米で鑑評会出品酒のみ「原型精米」というところもあるみたいです。 |
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こちらの機械はなんでしょうか? 凄い計測器です。普通の酒蔵さんは、精米が、100kgが50kgになったら 精米50%になったと判断します。 しかし「蓬莱泉」(ほうらいせん)さんは、精米されたお米の形のスキャニングをし 原型(玄米)から50%削られたか形を確認をします。そして、精米50%とします。 そのスキャニングの機械です。その他、つぎの洗米、浸漬のために水分含量を計測する計測器もあります。 「蓬莱泉」(ほうらいせん)さんこだわり!!! 左の写真は大きくできませんが「洗米、浸漬」を完璧に行う自動化されたスペシャルな設備です。 精米から、きっちり水分含量まできっちりデータ化できる「ほうらいせん」だからできる技術です。 しかし皆さんに勘違いされては困りますので、補足ですが「判断を下すのは全て経験を積んだ蔵人さんです。」 最近他のお蔵さんで使用するウッドソンMJPも自動化されていますが、この設備は驚く完成度でした。 ここは秘密が多いところなので多く話せません。 |
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洗米、浸漬をしたらお米を蒸します。 「蓬莱泉」(ほうらいせん)のこだわり!!! この甑(こしき 蒸し器のことです。)は、OH二十層式と言いまして、乾燥蒸気を出してパラパラに蒸したお米がなります。そしてこの甑は名古屋の増田商事が開発をし特許を取得していて、私の東京農業大学醸造学科同期の親友!!!!! 増田君が製作している最高の逸品です。 蒸したお米が、 表面パラパラ、中までしっかり蒸せる最高品質です。 (開運の弥市さんもこの甑をこしきに使用してます。) そして「蓬莱泉」(ほうらいせん)さんの最高のこだわりはお米の蒸し方になります。通常は前日に甑の中に洗ったお米を入れて置き当日に火を入れるか当日にお米を甑に入れるかになりますが、「蓬莱泉」(ほうらいせん)さんはまず甑お米を薄く張り蒸気を出して蒸気が抜けたらまたお米を薄く張りそれを繰り返し一回の蒸米の量まで行います。このお米の蒸し方が一番丁寧とされ時間とコストがかかるので今は敬遠されがちですが「抜け掛け」で行っています。 |
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入りいろな蔵を見てきましたが、初めて見ました!!! 最高の蒸米ができたら、エアーシュー ターで放冷機に送られます。ここまでは普通ですが!!! このエアーシューターは、無菌化フィルターにより風は無菌化され、送り込む温度も44℃に設定されています。 ここまで雑菌対策をするのは凄い!!! でもこだわりのある「ほうらいせん」さんでは毎日当たり前です!! |
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「蓬莱泉」(ほうらいせん)では放冷機で冷やされた蒸米はエアーシューターでこちらに飛ばされてきます。 蒸された直後のお米は熱いので雑菌がついても死んでしまいますが、お米が冷めることによって生き残れる雑菌も増えていきます。 ここで麹のもとになる種麹菌(いわゆる「もやしもん」のもやしとはこのことを言います)を振りかけ銀色の箱の中にお饅頭のように盛られます。これを業界用語で「盛り」と言います。約一晩行います。 |
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こちらも「蓬莱泉」(ほうらいせん)さん特有の自動製麹機なります。 ここは関谷先輩からも機密事項となっているので軽く説明程度とどめます。 お饅頭の形に盛られていた糀米は写真で重ねられている木製の糀蓋(こうじぶた)に小分けられます。 糀蓋が自動で上下に回転していき温度と湿度が管理されます。 |
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「蓬莱泉」(ほうらいせん)さんの機密事項ですが、もう少しクローズアップ!!! 糀菌は繁殖すると熱をもってだんだん熱くなっていきます、そうすると元気がなくなってしまい、途中で繁殖しなくなってしまったり、酵素力が弱くなってしまいます。糀菌の温度が高くなったら手入れといって糀を混ぜてほぐしながら温度を下げる作業をします。この自動製麹機は既定の温度になると左の写真の上にあるか き混ぜ棒が、降りてきて左右に動き交ぜほぐします。そしてまたきれいに盛ります。 この盛りが素晴らしい!!! 写真を見てください。 私より上手です… |
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糀ができたら、酒母立てですね。 「酒母」とは字のごとくお酒の母になる一番最初の仕込みになります。この酒母を始まりに添仕込、仲仕込、留仕込と三回に分けて仕込む三段仕込が今は主流です。 「ほうらいせん」さんもこの形は同じです。 「蓬莱泉」(ほうらいせん)のこだわり!!! 精米機に続きこちらもステンレス製の特注品です。 この酒母タンクはフォークリフトで揚げることができタンクに移す時に下の口から落とすようになっています。 |
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「蓬莱泉」(ほうらいせん)のすごい技術力!!! 醪(糀、蒸し米、仕込み水を混ぜ合わせてタンクの中にある搾る前の状態の物)のサンプリングです。 この醪の色をご覧ください。 人の手がほとんど触らない衛生的な醪はこのように真っ白なんです。 びっくりするなかれ!!! 幻の日本酒「蓬莱泉」(ほうらいせん)「吟」「空」「魔訶」も「秀撰」すべて同じ総仕込1200kgです。 何故すごいか!!! 通常、大吟醸、純米大吟醸は醪(糀、蒸し米、仕込み水を混ぜ合わせてタンクの中にある搾る前の状態の物)の管理をしやすくするために総米600kgが多く念には念を入れて400kgと言うこともあります。 総米1200kgの仕込みで幻の日本酒「蓬莱泉」(ほうらいせん)「吟」「空」「魔訶」のレベルのお酒を醸すことは他の蔵では難しいと思います。大手の量産する蔵とは違い「地酒蔵」としての生産技術は最高峰です。 「蓬莱泉」(ほうらいせん)の 関谷社長の思い「大吟醸も普通酒も造りに対する思いは同じです。また、全国新酒鑑評会に出品するお酒も通常に仕込んだお酒の中から選びます」と言うことでした。蔵による考えは色々ありますが、全国新酒鑑評会のために販売しない金賞に向けて特別に仕込む蔵もありますので、関谷社長はそういうことはせず、皆さんに通常飲んでいただく中から選んでいます。また、「蓬莱泉」(ほうらいせん)の 全国新酒鑑評会出品酒は アル添大吟醸ではなく 純米大吟醸です。 |
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この仕込みタンクがあるからこそ「蓬莱泉」(ほうらいせん)の仕込みお酒が出来上がります。 それはなぜか? 人の手を触らせないことです。人の手は雑菌が多く消毒しても取り切れません。 こちらが仕込みタンクの中身です。 真ん中に見えるのは「櫂入れ」(醪の温度、濃度を櫂棒を使用し撹拌をして均一にする)をする櫂棒(醪を撹拌する棒)です。 仕込みタンクについて!!! このタンクには内壁内に等間隔に温度計があり温度計の間で温度差が出ると自動的に櫂棒が回り目標温度まで上げたり下げたりしていきます。このタンクの凄いところは冷水、温水両方使えることです。 これを機械仕込みと言われるかもしれませんが、ひとつ前の写真を改めてみてください!!醪の分析をするのは蔵人さんです!!! 分析したデータを見て醪の進み具合(発酵の進み具合、アルコールの出具合)を見て上槽(お酒を搾ること)の判断をします。これはまだAIにもできないです。 そしてこのタンクも私の東京農業大学醸造学科同期の増田商事の増田君の逸品です。 |
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「蓬莱泉」(ほうらいせん)のこだわり!!! 搾り機は「ヤブタ 式」ではなく「マキノ式」です。 ヤブタは清酒専門の搾り機メーカーさんですが、マキノは海水から真水を生成ろ過する技術を持っている会社で他社に比べてろ過器の中の板をプラスチック化したのが早いメーカーです。特にろ過技術が素晴らしい会社でその技術を取り入れている搾り機です。最近はプラスチックが主流になったヤブタ式では以前はヤブタ臭(ヤブタ式はゴム板を使っているのでその香りがつくらしい…)がつかないプラスチック板を部品に使用しているからマキノに関谷社長はしたそうです。 また、この部屋をよく見てください。 清潔感が漂っています!!! カビのようなものが一切ありません。 そうです、この上槽の部屋は空調システムが入っていて手術室と同じ「蓬莱泉(ほうらいせん)冷蔵クリーンルームになっているのです。 関谷社長曰く「人の出入りが、一番ばい菌を持ち込むし、一番汚いのが人間」だそうです。 この綺麗さには、脱帽です。 |
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上槽が終わったら瓶詰めと火入れになります。 「蓬莱泉」(ほうらいせん)のこだわりの最終章です。 清酒の製造はどこを手を抜いてもいけませんが、意外と目立たない最後の火入れ瓶詰めとても大切になっています。いいお酒を醸してもここでいい加減な火入れをしてしまうと今までの工程がすべて無駄になってしまいます。 火入れ瓶詰めのタイミングとその銘柄の味わいの均一化はとても難しく利き酒(ききさけと読みお酒の味わいを的確に評価することを言います)能力が問われます。 「蓬莱泉」(ほうらいせん)の関谷社長はご自分で利き酒を行い「蓬莱泉」(ほうらいせん)の味わいのクオリティーを保っています。 お酒の火入れについて 「蓬莱泉」(ほうらいせん)関谷社長の結論!!! 「瓶燗火入れ」(お酒を瓶の中に詰めてから瓶ごと熱いプールに入れて熱処理をする方法)と 「熱酒詰め後の パストクーラー」(お酒を温めて熱酒にして瓶詰を行い冷水にて急冷をする方法) 通常は瓶燗火入れ後急冷が、丁寧なやり方でお酒に優しいとされていますが、手間がかかります。プレートヒーターと言われる熱交換器で温めた熱酒を瓶詰して急冷すると手間がかからず自動化ができます。 そこで関谷社長は数年かけて経過観察をして出た結論が!!!!! 変わらない。でした。 現在「蓬莱泉」(ほうらいせん)のお酒は後者の方法で瓶詰されています!! その上更に品質保持のためにやっていることが!!! 「蓬莱泉」(ほうらいせん)では瓶詰時に窒素を溶け込ませて充填しているのです!!! 何故窒素を溶かすかというと酸化をしないからです。 お酒は酸化をすると熟成香のヒネ香を出します。出荷時点では窒素充填をしているので蔵出しの状態では素晴らしい状態のままお酒やさんに送られます。「蓬莱泉」(ほうらいせん)さんの場合ヒネ香のあるお酒が出るお酒屋さんは、管理が悪いということになってしまいます。 関谷先輩の後ろ姿とパストクーラーです。 |
